現行潜水艦の3種類の推進装置
現代の潜水艦は動力源で分類すると
「原子力潜水艦」
「通常動力(ディーゼルエレクトリック)潜水艦」、
それに
「AIP(非大気依存)潜水艦」
(通常動力潜水艦の一種)に分類できる。
原子力潜水艦は原子力でスクリューを回して
推進させるため、理論的には永久に潜航可能
であるが、食料や乗組員の心理状態などから、
どんなに長期でも2~3カ月の潜航が
限度である。
そして、通常動力潜水艦に比べると大出力
のため高速移動が可能となる。
通常動力潜水艦は海中深く潜航する際には
電池でスクリューを回す。
そのため、新鋭艦の場合、原子力潜水艦より
も音や熱の発生を大幅に押さえ込むことが
でき、ステルス性が高くなる。
しかし、電池充電のためにディーゼル
エンジンを回さなければならず、海面近くに
浮上して吸排気をする必要がある。
よって、敵に探知される機会が増えるという
欠点がある。
その欠点を補うために登場したのが、
AIP潜水艦である。
これは、ディーゼルエンジンのほかに、
空気を用いずに充電可能な発電システムを
搭載し、2週間ほどは潜航を続けられる
潜水艦である。
原子力潜水艦のような高速は出せないが、
静粛性と潜航持続性を兼ね備えている。
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