機関室に移動中、主機が駆動、船がポンポンポンと動き始めたため、
「あー終わりだ。これを機にロシア語覚えないと」
と思いながら、補機の連係操作盤を確認した。
表示がロシア語だが、何とか理解でき、故障箇所を特定。 駆動伝達と電気の系統図を
書いて、修理に関する説明を身振り手振りで説明。 屈強な若目のロシア兄さんが、
何か理解したみたいで、部品を持ってきて一緒に交換。
その他異常がないかのチェックも行い、補機への連係も無事できた。
ロシア母ちゃんからロシア兄さん達が大勢集まり、ニコニコしながらワーワー言ってた。
その時は、
「イイ電気技師が手に入ったゾ ハラショー」
って思ってんだろうなーと引き攣り笑いをしていた。
連れられて外に出ると、元の漁港で思わず涙が出た。
何か北に拉致されて帰ってきた感じなので、漁港の皆もそんな雰囲気で迎えてくれた。
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