暫くして練習生全員を前にして、
先輩が今回からオレが練習に参加する
事を伝え、練習が始まる。
体を温め、いよいよスパーリングが
開始された。
予想通り、T坂はオレに対して、
練習のスパーリングとは言えない
攻撃を仕掛けてきた。
金的は狙う、髪を掴んで顔面へ膝蹴り、
喉への手刀、顔面への肘打など、
まぁエゲつない事この上ない。
オレはそれでもじっと耐え、捌き、
あくまでも
「練習のスパーリング」
を貫き、先輩に迷惑を掛けないようにした。
あっという間に1時間半の稽古は終わり、
後は自由練習となり、練習生は思い思いに
自分達の練習を始めた。
オレは先輩に呼ばれ、その日の稽古の
総括などを行なう事となった。
先輩はオレに、
「○○、お前T坂知っているのか?
アイツ、スパーの時、メチャクチャやって
来ていただろ?」
と聞かれ、過去にあった事を全て話した上で、
今日T坂と会った事で、T坂が再び中学時代の
時のように、オレをパシリにし、自分の
ストレス発散の道具にしようとしている事を
話した。
先輩は一言、
「わかった」
とだけ言い、自主練習をしている練習生達に
こう言った。
「○○は手伝いに来てくれているため、
自分の練習が出来ていない。
誰か○○の相手をしてやってくれるか?」
と。
すると案の定、T坂が挙手。
先輩はコレを見越して声を掛けていたんだろう。
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復讐だけで終わるなよ?