この記事は
「昔の武士(ムサ)を『サウラビ』
という現代語に置きかえただけ
でも国語教師ではなく作家として
の自負心を感じて、自慢ではなく
謙遜を前に出している」
という文章で終わる。
このインタビューを通じて、新羅時代
を背景にしたこのラジオドラマで
サウラビという単語を初めて使った
という事実を確認することができる。
以降もTV・ラジオドラマや小説、
映画のようなフィクションでサウラビ
という単語を使い、この単語が元々
あったかのように考えている人々の
数も増えるようになった。
一方、日本でサムライという単語は、
少なくとも16世紀に登場した。
したがって、もしその時代の二つの
単語に関連があるならば、むしろ
日本語のサムライを見てサウラビ
という単語を作り出した確率が高い。
むろん実際の可能性は希薄な話だ。
最高権威を誇る日本語の辞書
「広辞苑」によると、サムライは
「サブラフ」
の連用形(連用形≒名詞形)「さぶらい」
が変わった言葉だ。
同様に辞書は、サブライを
「主君の側で仕える者、あるいはその人」
だと解釈している。
サブライを漢字で書く際は、仕える人(侍)
を使う理由だ。
サムライも同じく、漢字で書くと「侍」だ。
また辞書は、サブライがもともと
平安時代(794~1185または1192)の
時、親王、摂関、公卿家を意味したと
解釈している。
すなわち、語源を辿ればサムライという
単語には、むしろ「戦う」という意味が
なかったのだ。
次ページへ続きます