「私はまだ若過ぎて、自分の
アイデンティティーを感じる
ことはできませんでした。
そして、母に、なぜ私が他の
ベトナムの子供たちと違って
見えたのかについて、まだ疑問
を持っていませんでした」
「しかし、共産主義者が勝利を
宣言したとき、私に関する全てが
変わった。突如、私は危険なほど
(他の子供たちと自分が)違って
いることを知りました」
ナットさんは学校で虐(いじめ)め
られ、苦しみました。
「私は繰り返し、虐められました。
他の子供たちは、私の父が誰かを
尋ね続け、彼を「犬」と呼びました。
私は黙って耐えるしかありません
でした」
「私が18歳の時、母は私の前に座り、
韓国兵にレイプされたと明かしました。
1度ならず、3度も。だから私と、
私の2人の女兄弟の3人が混血であり、
ライダイハンなのです」
ナットさんの辛い告白を紹介したあと、
このインディペンデント紙はこう説明
します。
<韓国がベトナム戦争に関与した
話は、ほとんど知られていない>
<韓国軍の部隊は(ベトナムの)
民間人女性を単独で搾取するだけ
でなく、彼らの国は
(レイプの被害者たちの)告発を
決して認めず、(事実の)調査の
ための措置を取らなかった>
さらに、ナットさんの母親で、
現在、76歳になる
トラン・ティ・ンガイさんは、
自身の悲惨な過去を
インディペンデント紙の取材に対し、
赤裸々に吐露します。
ンガイさんは時折、すすり無き、
怒りと悲しみで涙をぬぐいながら、
話し始めました。
体は弱っていますが、ベトナム戦争中
に受けた性暴力に関する記憶は
はっきりしています。
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