【日本人の脳の秘密】なぜ日本人には虫の「声」が聞こえ、外国人には聞こえないのか?

■「日本人の脳」ではなく「日本語の脳」 犬は「ワンワン」、猫は「ニャーニャー」

角田教授の発見では、虫の音

だけでなく、そのほかの動物の

鳴き声、波、風、雨の音、小川

のせせらぎまで、日本人は言語脳

で聞いているという。

これまた山や川や海まで、ありと

あらゆる自然物に神が宿り、

人間はその一員に過ぎないという

日本古来からの自然観に合致して

いる。

幼稚園から小学校の4、5年ぐらい

の日本の子供に、犬はなんといって

鳴くかというと、ワンワンという

にきまっているのです。

マツムシはチンチロリンという。

外国人に聞きますと、ひじょうに

困るのです。

なんというていいか一生懸命

考えて記憶を呼び出して、

ウォーウォーといったり、

ワーワーと言ったり。

日本の子供が

「ワンワン」

と答えるのは当然である。

親が犬を指して

「ワンワン」

と教えるのであるから。

同様に猫は「ニャーニャー」、

牛は「モーモー」、

豚は「ブウブウ」、

小川は「サラサラ」、

波は「ザブーン」、

雨は「シトシト」、

風は「ビュウビュウ」。

まるで自然物はすべて

「声」

をもつかのようである。

このような擬声語、擬音語が

高度に発達しているという点が、

日本語の特徴である。

幼児がこれらを最初から学んで

くれば、虫や動物の鳴き声も

自然音もすべて言語の一部として、

言語脳で処理するというのも当然

かもしれない。

あるいは、逆に、言語脳で処理する

から、言語の一部として擬声語、

擬音語が豊かに発達したのか?

いずれにしろ、自然音を言語脳で

受けとめるという日本人の生理的

特徴と、擬声語・擬音語が高度に

発達したという日本語の言語学的

特徴と、さらに自然物にはすべて

神が宿っているという日本的自然観

との3点セットが、見事に我々の中

に揃っているのである。

■人種ではなく、母国語の違い

角田教授の発見で興味深いのは、

自然音を言語脳で受けめるという

日本型の特徴が、日本人や日系人

という

「血筋」

の問題ではなく、日本語を母国語

として最初に覚えたかどうかという

点で決まるということである。

その端的な例として、南米での

日系人10人を調査したデータがある。

これらの日系人は1名を除いて、

ポルトガル語やスペイン語を母国語

として育った人々で、その脳はすべて

西洋型であった。

唯一日本型を示した例外は、お父さん

が徹底的な日本語教育を施して、

10歳になるまでポルトガル語を

まったく知らずに過ごした女性で

あった。

その後、ブラジルの小学校に入り、

大学まで出たのだが、この女性だけ

はいまだに自然音を言語脳で

とらえるという完全な日本型だった。

逆に朝鮮人・韓国人はもともと

西洋型なのだが、日本で日本語を

母国語として育った在日の人々は、

完全な日本型になっている。

こう考えると、西洋型か日本型かは

人種の違いではなく、育った母国語

の違いである可能性が高い。

「日本人の脳」

というより、

「日本語の脳」

と言うべきだろう。

角田教授の今までの調査では、

日本語と同じパターンは世界でも

ポリネシア語でしか見つかって

いない。

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