「市民葬儀相談センター」によると、
散骨を嫌がる家族も多く、代わりに
樹木葬が増えてきたという。
中でも
「ガーデニング型プレミアム樹木葬フラワージュ」
が人気だ。
琉球ガラスの骨壺に入れて花壇の下に
埋葬する。
フラワージュを販売する「松戸家」
(東京都小平市)によれば2年前に販売を
開始し、全体で1千霊位以上受注した。
ペットと入ることもできる。
平均価格は25万〜40万円。
最近は
「夫と同じ墓に入りたくないから」
と申し込む人もいるという。
墓石を自宅に設置する「自宅墓」もある。
「かねみつ石匠」(岡山県笠岡市)の代表は
自身が父と母を送った後に、
「近くにいてほしいから」
と骨壺と墓石が合体した商品を開発。
人気は32×32×39センチサイズで、
高さ18センチの骨壺が入る。
仏壇とセット(税込み42万6千円)でも
販売している。自宅墓は、リビングルーム
などどこにでも置けるので、故人を
いつも近くに感じられる。
ただ、自宅の庭に設置となると、
墓地埋葬法に抵触する。
「墓石を自宅の庭に置く分には
問題ないが、そこに遺骨が入っていれば
NG。埋葬はできないのです」
(厚労省担当者)。
つまり遺骨が入った「自宅墓」は庭には置けない。
実施回数はそう多くないが、
偏西風に乗って世界を何周もする
「バルーン宇宙葬」がある。
2〜2.5メートルの巨大な風船に遺灰を詰め、
地上35キロメートル付近の成層圏で拡散し、
自動的に散骨させる。空中を漂い、
自然に返るイメージだ。
「バルーン工房」(本部・宇都宮市)に
よると、6年間で200件ほど実施し、
生前予約者は80人ほど。
墓じまいした女性が選んだ手元供養の
ダイヤモンドは遺骨の中に含まれる
炭素を取り出して作る合成のもので、
遺骨を全部使う。墓を持たずに、
遺骨の置き場に困っている人の需要に合う。
大切な人がいつもそばにいる感覚は強いだろう。