9月1日に開講を控えたオンラインサロン「ニュース裏読みラボ」(https://lounge.dmm.com/detail/564/)で、メディアがどうやって世論を作るのかを講義する準備を兼ねて、Jアラートやミサイル避難訓練を巡る朝日新聞の報道を少々分析してみよう。
「軍事アレルギー」と「外交でなんとかしろ」が朝日流
朝日新聞のこれらの問題に関する論調はどうなのか。朝日新聞デジタルで過去記事をいくつか見たが、よりによって「傑作」だったのが、ミサイルが発射されたきのう当日朝の名古屋版の朝刊社会面だ。
“ミサイル避難訓練、実効性は 「しないよりやった方が」「発射させぬ外交努力を」【名古屋】
北朝鮮の弾道ミサイル発射への警戒から、落下に備えた避難訓練が全国各地で実施されている。26日には津市でもあった。政府は可能な限り安全な場所に素早く避難するよう呼びかけるが、専門家の中には訓練の実効性を疑問視する声もある。”
リードの文章を読んだだけで、訓練を「疑問視する声もある」と釘をさすあたり、はやくも「軍事アレルギー」の気配を感じる。見出しにもあるように二言目に「外交でなんとかしろ」というのは「朝日新聞」らしい(笑)。そして、この記事を「傑作」たらしめているのが専門家のコメントの使い方だ。
“軍事ジャーナリストの前田哲男さん(78)は「実際にミサイルが落下すれば、何の役に立つのか」と指摘し、旧防衛庁防衛研修所の「戦史叢書(そうしょ)」から、あるエピソードを紹介する。
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