【世界でおきていること】ロヒンギャ問題とは何か:民主化後のミャンマーで変わったこと、変わらないこと








 

さらに、東南アジア諸国は国際的な発言力を確保するために
相互の結束を重視しており、そのためにも「内政不干渉」が
優先されがちです。
その結果、東南アジア諸国の間には「お互いに口を出さない」
傾向が強くあります。

しかし、難民が増えるにつれ、徐々にミャンマーへの
風当たりは強くなりました。
UNHCRによると、2015年6月年現在で、過去5年間に
ミャンマーを逃れた難民は約90万人にのぼり、これは
世界第9位。
これは内戦が激しいイエメン(42万人)やリビア(37万人)
の2倍以上で、ロシアと欧米の対立が顕著なウクライナ
(107万人)に迫る規模です。

ミャンマーからの難民のなかには、カチンなどの山岳系も
含まれますが、ロヒンギャ問題が国際的な関心を集めるにつれ、
そしてその増加によって自らの負担が増えるにつれ、
周辺国はミャンマー政府に事態の改善を求め始めました。
2016年12月、マレーシア政府がASEAN(東南アジア諸国連合)
首脳会合でロヒンギャ問題を取り上げ、ミャンマーの加盟国
としての要件にまで言及したことは、その象徴です。

ところが、これらの批判をミャンマー政府は真っ向から反論。
「『虐殺』の証拠はない」と強調したうえ、
「ロヒンギャなどいない」という立場を崩していません。
ミャンマー政府は「ロヒンギャ」を民族として、
あるいは自国民として認めておらず、「ベンガル人」、
「バングラデシュなどからの不法移民」と位置付けて
いるのです。

つまり、「『違法に定住している外国人』を追い出して
いるのだから問題ない」という主張です。
そのため、ASEANの場で「ロヒンギャ」の語が用いられる
ことさえ拒絶しています。

ミャンマー政府の論理に従えば、
「『母国』で迫害を受けたわけでない」ロヒンギャは、
難民としての認定すら受けられないことになります。
それは周辺国がロヒンギャの入国を拒絶することを、
少なくとも法的に、より容易にしています。
「合法的であること」と「正当であること」は常に一致すると
限りませんが、これはその典型例といえるでしょう。

次ページに続きます。



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