新しい経営者は気難しく、客への侮りを隠そうとも
しなかった。
そんなある日、彼らの経営する雑貨店で黒人少女が
小物を万引きした。
店番をしていた経営者の女性が銃を持ち掛し、
黒人少女を背中から撃った。
少女は即死した。
彼らに不快感を募らせていた住民は激怒して店を囲んだ。
ロス市警が出動して間に入っだが、それがかえって感情
をくすぶらぜ内在化さぜる結果になった。
のちに「あの店をやらせておけば」という声が当局者の
間で何度かささやかれることになる。
そしてこのときサウスセントラルの外側でまったく別の
事件が起きていた。
例のロドニー・キング事件、白人警官4人が黒人を
袋叩きにしたあの事件の裁判で警官を無罪とする評決が
出された。
評決は黒人蔑視と受け取られた。
沸騰した怒りはサウスセントラルの一画ノルマンディ大通り
の交差点で白人の乗ったトラックを襲うという形で爆発した。
九二年のロサンゼルス暴動の始まりだった。
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