【韓国起源説】韓国が漢字を廃止した理由

4:現代韓国における漢字復活論争

上記のように、ハングルは元々日本語のように漢字を使うことを前提として

成立したという経緯があるため、現在のようなハングルのみでの表記の方法には

弊害があり、同音異義語を区別し難いという問題が存在します。

実際、数年前には「放水」と「防水」の区別ができず、

鉄道の枕木15万個が不良品となってしまったという事件も発生しています。
(ハングルではどちらも「방수」と表記)

(※3)
「亀裂発見されたKTXの枕木15万個のすべて不良品」 SBSニュース 2009.02.17

また、他にも様々な弊害が発生しており、特に専門分野においてハングルのみでは

判別できない単語が多数あるため、サムスンやヒュンダイなどの一部財閥の幹部や

キャリア、司法関係者、国家公務員など、極限られた業種のみ漢字を自主的に推奨した結果

韓国内で知識格差が発生しており、これも社会問題化しています。

このため、韓国の右派系を中心に漢字復活の主張が度々行われています。

(※4)
【コラム】韓国の漢字教育が「失敗」した理由 朝鮮日報 2013/06/16

しかし、民族主義傾向の強い左派はこの動きに反対しており、

「韓国青年の読解力は世界トップ」とか、「子供の就学負担が増える」と

反対しており、実態としては左派系の支持母体である教員組合の負担が増える事を

嫌っているという背景もあり、漢字復活論争は未だ続いています。

また、こうした反対の動きに賛同する自治体も存在しており、

「殉国した先祖の烈士の高貴な犠牲によって光復(日本の植民地支配からの解放)

70周年を迎え、民族的自負心を鼓吹しなければならない今この時に、

はっきりとした理由もなく教育部が推進する漢字併記は、

韓国古来の言葉と文字を守ってきた殉国烈士の犠牲に対する民族的背信であり、

歴史の車輪を逆に回す時代退行であり、

世界で一番優れている文字のハングルに対する冒涜である」

との民族主義を背景に反対しています。この主張として前提にあるのが、

「日本がハングルを奪った」という政治的なプロパガンダです。

(※5)
韓国語に漢字併記必要なし、韓国青少年の読解力は世界トップレベル ハンギョレ新聞 2015.08.12
「漢字塾にも通うんですか…」韓国の小学生80%が漢字併記に反対 ハンギョレ新聞  2015.09.04
京畿道議会、小学校教科書への漢字併記推進撤回を要求 WoW!Korea 2015年8月29日

元々漢字廃止という動きは、1960年代に朴正煕政権が「日本がハングルを奪った」という

プロパガンダを成り立たせるために始めた物なのですが、

皮肉な事に現在はその弊害から右派が漢字復活を望み、

左派が民族主義の観点から頑なにそれを拒むという逆転現象が発生しているのです。

「日本がハングルを奪った」

というプロパガンダが、現在になって韓国内に大きな禍根を引き起こしているわけです。

次ページに続きます。

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