事件で妹を失ったジミンはオシポビッチに対する
復讐を存在理由にする。
米国でロシア語を学びオーストリアで天体物理学を勉強したあげく
ロシア入国に成功する。
しかし、
ただ任務に忠実だった一介の軍人を殺すと何か変わるだろうか。
作家は二番目の男、「文」を登場させて復讐を個人ではなく
国家と理念の問題に還元する。
文はゴルバチョフ、ロシア共産党書記長を訪ねて
大韓航空機撃墜事件に対する謝罪を受け取り、
共産主義の終焉を宣言するつもりはないかと訊ねる。
平壌(ピョンヤン)に行っては金日成(キム・イルソン)首席に
主体思想を捨てなければなければならないと声を高める。
文は生前、ゴルバチョフとキム・イルソンと会談した
統一教教祖、文鮮明(ムン・ソンミョン)がモデルだ。
作家は大韓航空機撃墜事件が結果的にソ連や現実の
共産主義の崩壊をもたらしたと見る。
ソ連が7年以内に滅亡すると言っていた文の作中の予言は
現実になった。
「ジミンは荒々しく生きてきた自分のやり方で、
文は共産主義をなくすことによって復讐しようとしました。
やり方は違いましたがどちらも大韓航空機撃墜事件を忘れず
復讐を試みました。真の復讐はお互いに対する理解から来る
平和でしょうが、それを得るまでじっとしていてはいけません。」
(後略)
キム・ケヨン記者
ソース:聯合ニュース(韓国語) キム・ジンミョン「復讐を忘れた民族に未来はない」
http://www.yonhapnews.co.kr/bulletin/2017/07/14/0200000000AKR20170714151000005.HTML
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