年間11万人が“火病(ファビョン)”に苦しむ現代韓国。なぜ火病は韓国特有の病気なのか

火病のルーツを辿る

韓国における火病の歴史は古く、

朝鮮王朝時代にまでさかのぼる。

韓国時代劇『イ・サン』で知られる朝鮮王朝

第22代王・正祖(1752~1800)の母親は、

著書『閑中録』の中で、自身の夫の病気を

「火症」と表現しているという。

正祖の父は、怒りによって胸が痛み、

極度の不安を感じたり、うつ状態になったりする

火病と酷似した病に侵されていたそうだ。

つまり火病は“韓国の伝統的な病気”とも

いえるわけだが、そもそもなぜ韓国人だけが

火病にかかるのだろうか。

慶熙大学病院のある教授は、こう分析している。

「怒りや悔しさ、“恨(ハン)”などの感情が

長期間持続した場合に患う火病は、

アメリカの精神障害診断マニュアルに

“韓国人に固有の文化依存症候群”

と明示されています。

韓国人には“恨”という独特の感情がある。

これは、歴史的に外国の侵略や同族対決が

繰り返された悲劇に加えて、差別的な身分制度、

男性中心的社会からくる抑圧と悔しさ、

怒りなどの感情が蓄積されて形成された状態だといえます」

「恨」

という独特の感情があるから、韓国人だけが

火病にかかるというわけだ。

同教授は、さらに続ける。

次ページに続きます。

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