俺、生まれて初めて人を殴りました。感覚の無い左手で。 後ろに倒れた兄貴に馬乗りになって、何度も左手で殴った

だけど兄貴は一言

『は?俺お前らに特に借りとかねぇし。

 なんで貸さないといけないわけ?』

俺、プッチーンね。

『ふざけんな!お前が実家に居た間、

 お前家に1円でもお金入れたか!?

 入れてねぇよな!?誰の金で飯食ってたんだ!?

 俺の金だよな!?』

多分もっと色々言ったと思うけど、熱くなりすぎて忘れた。
兄貴からは

『てめぇ!誰に向かってそんな口を聞いてんだ!?』

ってキレられたけど

『お前だよ!クソ野郎!』

って言い返したら切られた。

冷静になった後にやってしまったって思ったけど、

丁度姉の元旦那(再婚済み)から電話が掛かって

きて、子供達の様子や姉貴の様子を聞かれたから

ありのままに話した。

元旦那、根はいい人で

『原因は俺。月にいくらあれば生活出来る?

 言われた分振り込ませてくれ』

甘えて最初の月は滞納している家賃含めて15万。

次の月からは8万~10万を振り込んで

貰うことにした。

お陰で生活は多少楽になり、姉も回復、

カウンセラーからもう大丈夫というお墨付きを貰った。

甥っ子達を一緒に迎えに行った時、

姉貴が震えていた事、甥っ子達が泣きながら

姉貴に駆け寄り、姉貴も泣きながら抱き締めて

子供達に謝り続けていた事、俺は一生忘れないと思う。


姉貴は昔のような穏やかで優しい姉貴に戻ってた。

朝起きた時、夜眠る時、必ず子供達を抱き締める。

叱る時も手を上げずに子供達を座らせて

何が悪かったのかを言い聞かせる。

甥っ子達は立派に育ったよ。

小学生高学年になった頃には、スポーツも出来て

勉強は…少し苦手だったみたいだけど、

友達も沢山出来た。

これが本当の幸せなんだって思っていたら、

兄貴が実家に婚約者を連れて帰ってきた。 

母はやっぱり自分の子だからと、

嬉しそうにその婚約者に一生懸命手料理を

振る舞った。

母は決して料理が得意な訳じゃない。

兄貴を嫌っている姉は嫌々ではあったが、

手伝うよ、と声を掛けたらしいが、

お母さん一人で作りたいのって嬉しそうに

言われたらしい。

だから俺と姉は料理だけを運ぶ事にした。

不格好な料理がテーブルに並ぶ。

『さぁ遠慮しないで食べて』

満面の笑みのお母さんを見て、お母さんが

いいんなら…その時はそう思っていた。

婚約者の言葉を聞くまでは。

『これ…手料理??』


『こんなの食べられません。

 出前取ってもいいですか?』

俺と姉ポカーン(゚Д゚)

母は恥ずかしそうに笑いながら

『…そうよね。ごめんね』

って。

しかも婚約者の言葉を止める所か、

そうだそうだ、ピザが良い…

キレやすい家系なのかな。


最初に姉がキレたけど、せっかく

カウンセリングにまで通ったんだから

止めろと止めた。

その代わりに俺がブチ切れた。


ごめん、母さん。って一言かけて、

兄貴とその婚約者に向かってテーブルを

思いっきりひっくり返してやったよ。

そのまま床に落ちた母の手料理を鷲掴みに

して無理矢理2人の口に突っ込んだ。

『マズいか!?本当にマズいのか!?

 子供の為に作った料理が!!

 本当にマズいのか!?』

泣きながら叫んでた。


兄貴からは勿論手が飛んできたよ。

思いっきり頬を何度も殴られた。

だけど俺は何度も落ちた料理を拾っては

2人の口に突っ込み続けた。

口の中の鉄の味を今でも覚えている。

兄貴には左手を噛まれて後に左手に障害が

残るわけなんだけど。

だけどやがて婚約者の方からは泣きながら

『ごめんなさい…ごめんなさい…

 美味しいです…美味しいです…!』

と自ら床に散らばった残骸を掻き集めながら

食べ始めた。

ここまでの状況な。

甥っ子達

→お婆ちゃん(母)を抱き締めながら泣く


→俺を抱き締めながら泣く


→噛まれた左手と殴られた口から血を

流しながら泣く

婚約者→

謝りながら手掴みで料理を食べながら泣く

まさにカオスだよな。

泣いてる俺も情けないけど、

今回ばかりは身を引くのは嫌だった。

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