翌年、下の弟から連絡が入り、どうやら
上の弟が結婚するらしい。
だが、高卒労働者の兄がいるのは
恥ずかしいので秘密にしてほしい、
と言ってきたらしい。
上の弟の言い分は両親がいたときは
下の弟ばかり構い、両親がいなくなったら
さっさと家を出て行った裏切者だから、だと。
確かに母の入退院が頻繁だったために、
幼い下の弟にかかりきりになってたのは否めない。
だが高い私立の学費と仕送りの生活費の
半分近くは俺の稼ぎから出していた。
当然のように祖父母は激昂。
予定にはなかった院の分まで出してもらって
おきながら何たる言い分。
しかも大学でのやりたいことというのが
研究ではなくサークルの方らしく、
院に進んだのもその期間を引き延ばすため
だったことが同期からの証言で判明。
結婚しても構わないがこの7年間の学費と
生活費合わせた約一千万を早急に返せ!
と怒鳴ったとのことだった。
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