火葬だけ済ませ、遺骨を持って、
お寺に行くと、
「なぜオレを呼ばなかったのか。
葬儀をやり直せ」
となった。
「じゃあ、出ます」
と言うと、
「離檀料を200万円払え」
となってしまった。
最終的に請求は取り下げられたが、
「火葬式の前にお寺に行き、こういう
事情で費用が捻出できないので、
と一言住職に声をかけていれば
良かったと思います。それだけで、
お寺の対応は違っていたでしょう」
と佐々木さんは話す。
もめてしまったら、
「仏教情報センターに相談するのも
一つの方法」と教えてくれた。
寺はべらぼうに高い金額を請求する、
と安易に考えないほうがいい。
朝に晩にお経をあげ、檀家のために
やってきたことが突然裏切られたときの
やるせなさ。
だから、「離檀料」という形でしか
抵抗できないのかもしれない。
「お寺の立場からすると、今まで
世話をしてきたという感覚がある。
亡くなったときの魂を赤ん坊とすると、
お寺は、赤ちゃんのときからずっと
『育ててきた』という思いがあるのでは
ないでしょうか」(佐々木さん)
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