再度
「お前はどう思うんだ!」
と怒鳴られ、パニックになった私は
「普通は最高だと思う」と
答えてしまい「馬鹿」と言われ、
母に殴られそうになった。
その瞬間、兄が
「今の事を赤の他人に言って聞かせてもいい?」
「最高話を人に言いふらすよ」
と言ってくれたので母に殴られずに済んだ。
母は
「お前たちは世の中の事を分かっていない」
などとブツブツ言いながら部屋を出て行った。
家に父親は居たが、全くの空気だった。
何を言っても相談しても
「母さんの言う通りにしなさい」
「母さんを怒らせたら駄目だよ」
と言うだけだった。
後年、兄は大学を卒業し就職して家を出た。
母が望む超難関大学に行かなかった兄を
母は絶対に許さなかった。
「○○大学に行くのに東京に行くのなら
まだしも、就職のために東京に行くのは
許さない」
と母は怒っていた。
給料が出るまでの間、兄がお金に困ると
思った私はお年玉や小遣いを貯めていたのを
兄に渡した。
兄は
「ありがとう」
と言ったけれど、お金を受取らなかった。
それでもと言う私と押し問答になって兄は
「じゃ」と言ってその中から1000円だけ
持って行った。
兄はその千円札を今も持っているらしい。
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