バアちゃんが何かを差し出した
古くて小さい日本のお守りと、
古びた写真
母は初めてみる物だったから
(お守りというものすら知らなかった)
無造作に中を開けた
そこには、古くてシワシワの小さな白い紙
米粒ひとつが入っていた
古くてシワシワ紙を読んでみた
日本語で『ローザ、君を愛している』と
書いてあり、英語で、綺麗な字で
アイラブユーとあった。
パッとバアちゃんを見ると泣いていた。
わけをきくと、バアちゃんは結婚するまえ、
大昔、日本人と恋に落ちた。
写真に移っている、背の低く、丸い典型的
昔の眼鏡をした優しそうな日本人。
それがバアちゃんが恋に落ちた彼だった。
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