駅で360万も入った封筒を発見!俺(うわっ!交番に届けよう) → 後日、893『おう兄ちゃん、ここらで大金入った封筒見なかったか?』俺(あ…) → 結果…

893

「おう兄ちゃん、最近ここらで連れが

 大金入った札束落とした言うんだが、

 なんか知らねぇか?あ?」

一瞬、シラを切ってその場から立ち

去ろうかと思ったが、もしかしたら

監視カメラを仕掛けていてバッチリ

証拠があがっている可能性もある。

ここでシラを切って、証拠を突きつけ

られては分が悪い。

そうだ、警察に届けているんだから

何も恐れる事はない。

素直に伝えれば良いんだ!

「はい、先日ここに落ちていて、

 僕が拾いましたけど。。。」

893

「あ??てめぇ、人のカネネコババ

 しておいてタダで帰れると思ってる

 んか?あ?」

「い、いえ、ネコババはしていません。

 すぐに近所の交番へ届けました。」

893

「おまえ、それ本当なんだろうな?」

「本当です。すぐ目と鼻の先に交番が

 ありますので、よろしければ案内します。」


この時点で、平常を装ってはいるものの

もう俺は内心ガタガタに震えていた。

893

「わかった。したら乗れや!!」

と、車に乗れというのだ。

さすがに車に乗せられてしまうと、

どこか別の場所に連れて行かれるかも

しれない。

そうなっても逃げ場がない。

それだけは何としても避けねばいけない

と思った。

「いえ、本当に歩いてすぐの距離

 なんです!ほら、あそこ、見えますか?」

893

「だからなんだってのよ!

 おれは歩きたくねぇって言ってんだゴルァ!」

「じゃあ、僕が猛ダッシュでお車を

 先導しますので、着いて来てもらって

 もいいですか?」

893

「。。。てめぇ、そういって逃げる

 つもりじゃネェだろうな?」

「い、いえ!」

893

「そうか。。。逃げたら。。。

 どうなるかわかってるな?」


もう本当にオシ〇コをちびりそうに

なるくらい背筋が凍り付いていた。

心霊現象や幽霊の怖い話はよく聞くけど、

正直、そんなものよりも人間のほうが

よっぽど怖いと思った。

俺は、猛ダッシュで交番まで

車を先導する。

893の車は見た目こそイカツイが、

そこらへんのチンピラの車と違って

ものすごく音は静かだ。

それが逆に無音の威圧感となって

俺に襲いかかる。


交番に到着して、一足先に中へ入った

俺は、大慌てで事の経緯を説明

「あの、この前駅前で札束を拾った

 ○○ですけど落としたのが893だった

 みたいで、警察に届けたって言ったら

 案内しろって言われて、これから

 入ってきます。。。」

そうこうしているうちに、休む暇もなく、

893の方々が3人、交番にドスドスと

入って来た。

893

「こんばんわ!

 カネ落としたんですけど、届いてますか?」

彼らの車は2台。

残りの方々は車の中で待機している様子。。。

逃げ出すにも逃げ出せねぇ。。。

警察は、大まかな経緯を俺から聞いているが、

念のため、もう一度聞き直す。

警察

「お金を落としたんですね?

 詳しくお聞きしてもよろしいですか?」

893

「あんな、俺らも時間ないから、

 早くしてくれやな!」

ここからは少し長いので省略するが、

警察は本当に落とし主かどうかを

調べるために詳しく質問していた。

駅前で、いつ、どこら辺に、

どのような状態で落としたのかを

詳しく聞く。

途中から893がだんだん苛立ち始めて

いるのが手に取るようにわかった。

警察

「いくらくらい入っていたか

 お分かりですか?」

893

「これくらいの小さめな封筒で、

 なかに。。。400万円入っていたんだが!」

ん?

おいおい、待てよ?

このとき、俺は鳥肌でいっぱいに

なっていた。

拾ったとき、確かにパンパンの状態で

360万円が入っていた。

交番で改めて確認したから間違いない。

俺が拾う前に誰かがネコババした

可能性も考えたが、抜きとった形跡は

なかったし、第一それ以上入っていた

ようには見えなかった。

最初、拾った時に、なぜこんな中途半端

な数字なのかと思ったが、全てが一つに

つながった。


893

「もういいから、そこのガキがここへ

 届けたって言ってんだ!

 早くしてくれや!!」

警察が届け出をした封筒を持ってくる。

893

「おいこの野郎、中身が減ってる

 じゃネェか。。。

 てめぇ糞ガキネコババしてんじゃ

 ねぇぞ!

 きっちり数そろえて返せや!!」

恐れていた自体が起きた。

この人たちは、もともとわざとお金を

落として、それをネコババしようとした

人に恐喝を入れようとしていたわけではなく、

ハナから届けられる事が前提で、

不足分を弁償させるのが狙いだったのだ。

まくしたてる893だが、警察も譲らない。

警察

「それは本当に「落とした」ということで

 お間違いないですか?」

893

「だからそうだってさっきから

 言ってるだろうがぁ!!」

警察

「お伺いする限り、落とした場所も

 時間も金額もハッキリわかっている

 ようなのですが、もし故意に落として

 通行人に拾わせて、お金をだまし取る

 のが目的だった場合、法律に触れる

 可能性があります。」

893

「わしらが、

 嘘をついているって言うのか?あ?」

ますます白熱する口論の中、

俺は警察と893の板挟みにあい、

逃げ出す事も帰宅して明日に備えて

眠る事もできない状況。。。

そのあと、別の署から複数の警官が

応援に駆けつけたりして、小さな交番

は人でギッシリになった。

あからさまに、彼らのしている行為は

詐欺だとわかっていたため、警察も

強気な姿勢をとった。

その後、なんとか893が折れ、

落としたお金を引き取り、法律の

定める謝礼金を1割置いていった。

893「ほらよ!!」

雑に謝礼金を手渡され、その時耳元に

小声で

「しばらく、外歩く時は気をつけろ」

と言って、出て行きました。

警察側としては今後、付きまとわれたり

迷惑行為があった場合は、法律上で

罰する事ができるから相談しろとの

話だったが、実に他人事な発言にしか

聞こえなかった。

事が起こってからでは遅いわけで、

次会う時は死か、それ以上のものを意味

していることも自分なりによくわかっていた。

それから、しばらく人気のない時間帯には

出歩けなくなった。

最寄り駅も利用せず、朝は一つ奥の駅まで

わざわざ早起きをして行き、

帰りは一つ前の駅からタクシーで

帰宅するようになった。

あれから、住む場所を変え893にも

会っていないが、未だに真っ昼間でも

フルスモークの白いクラウンが横切ると

鳥肌が立って逃げ出したくなる。

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