◆「日本が核を持てば情勢はさらに不安定に」と反対派
FOXニュースは、戦後日本の“核のタブー”が
なくなった理由に、隣国の中国が核保有国として
領土拡大の野心をあらわにしていることと、
北朝鮮の相次ぐミサイル発射実験、トランプ
米大統領が自国を優先し、日米安保における日本の
役割の拡大を望んでいることを挙げている。
それを十分に認識したうえで、フィッツパトリック氏は
核不拡散を提唱する立場から、日本の核武装に
「私は、それは非常に危険だと思う。なぜなら、
故意であろうが、偶発的であろうが、(極東地域の)
軍拡競争と核取引の機会を加速させるからだ」
と反対する。また、アメリカは敵対している国に
対しても同盟国に対しても、等しく核の不拡散を
求めている。その点でも、日本が核武装すれば、
アメリカに大きな外交的課題が突きつけられる
という見方を示している。
そもそも日本はアメリカの核の傘に守られて
いるので、独自に核を保有する必要がないと
主張する専門家もいる。カーネギー国際平和基金の
核政策プログラムの共同ディレクター、
ジェームズ・アクトン氏は
「日本の核兵器だけではない。アメリカの核兵器
もあるのだ」
と語り、
「これは日本が核を保有すべきだという議論に
おいて、見逃してはならないことだ」
と強調している。
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