釜山(プサン)市内の
「国立日帝強制動員歴史館」で
写真展「軍艦島-三菱 グンカンジマ」を
開催中のイ・ジェガプ氏(51)は、
これまで軍艦島内部の撮影に成功した
唯一の韓国人カメラマンとして知られている。
1996年、日本統治期の近代建築物について
論文を執筆中に軍艦島について初めて知った
というイ氏は、軍艦島を
「朝鮮人強制徴用という民族の傷を
理解する一つの媒体」と捉え、
2007年から本格的に日本を中心として
強制徴用と太平洋戦争の痕跡をカメラに収め始めた。
初めて軍艦島に入ったのは08年。
当時の様子について、イ氏は
「夜明けに釣り人に変装した。部外者の侵入を
監視する日本の行政船が現れる前に、こっそりと
写真を撮らなければならなかった」
「危険だったが、本当に価値のあることだと思った」
と語る。
島内を歩くと
「朝鮮人の宿舎には、波が打ち寄せるたびに
海水が入ってきた。衛生状態もひどかった
ように見えた」といい、
「その様子があまりにも凄惨(せいさん)で、
全身に鳥肌が立った」という。
イ氏は今回の写真展開催について
「歴史は個人のものではないので、
当然共有しなければならない」
「私の写真を見た人々が、日帝による強制徴用の
犠牲・被害者の傷と痛みを少しでも知り、
記憶して、分かち合うことができればそれで満足だ」
と話している。
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