タクシーに乗ると、運転手『座席の前にしゃがみ込んで。荷物も』俺「ええ?なんでですか?」『後で説明するから。俺がいいと言うまで動かないで』 → 結果・・・・・

「どこに行こうとしてた?」

いきなりそう訊いてきた。 

「いやあの、××っていうネットカフェに

 行こうと思ってたんですけど」 

「乗って。行くから」 

「え、でも……」 

「初乗りでいいから。乗って乗って」 

「はあ」 

俺は怪しいと思いながらも成り行きに

流されふらふらと乗ってしまった。 

後部座席に乗り込んでバッグをドスンと

下ろしたら運転手がすぐに言った 

「あそこ曲がる前に伏せて」 

「は?」 

「さっきの道に戻る前に伏せて。

 座席の前にしゃがみ込んで。荷物も」 

「ええ?なんでですか?」 

「後で説明するから。

 俺がいいと言うまで動かないで」 

訳が分からないまま俺は言うなりになって

足元にしゃがみ込んだ。

バッグも下に落とした。 

運転手はちらっとこっちを見て

そのままでねと言った。 

窓の外は空しか見えない。

やがて右に曲がったようだった。

直進する。

ほどなく林に入ったと見え窓に

木の茂みが流れていった。 

林を抜けるのに結構長くて30秒くらい

かかった。

運転手はあれきり無言のまま。 

いつまでこうしてなきゃならないんだろうと

思いながらも喋りかけ辛くてしゃがんでいた。 

ふっと嫌な想像が頭を掠めた。

このままさらっていく気じゃないだろうな。

こっそり外を見ようか。

そろそろっと頭を上げ始めた時、

運転手が言った。 

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