南スーダンPKOの日報問題をめぐる混乱は、
稲田朋美防衛相の統率力不足が招いた問題だが、
防衛省の内部から稲田氏にとって不利な情報が
発信されている形跡があり、
文民統制(シビリアンコントロール)上の
深刻な問題も引き起こしている。
文民統制は、国民から選挙で選ばれた政治家が
軍を指揮統制することを指す。
戦前や戦中の「軍部の暴走」に対する反省が込められており、
多くの自衛官は長年、厳格に原則を守り、
政治的活動から距離を置くよう自らを律してきた。
今回の問題で稲田氏は、一貫して
「非公表や隠蔽を指示したり、了承したりしたことはない」
と主張している。
これに対し「非公表方針は稲田氏が了承していた」という
正反対の情報が相次ぎ報道されている。
防衛省内では
「特別防衛監察の結果、一方的に悪者にされてしまうと
反発した陸自サイドが情報をリークしている」(幹部)との
見方が大勢を占める。
真実がどちらであっても、結果的に政府の信頼が損なわれるのは
間違いなく、「これではクーデターではないか」(政府関係者)
との声すら漏れる。
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