さて、ブッシュ政権は二期目になると
ネオコンをいったん後退させて、
代わってコンドリーザ・ライスを
筆頭とする国務省主導の戦略へと
切り替えた。
そして、2006年、彼らはそれまでの
対北政策を180度転換した。
信じ難い話だが、あえて北の核・ミサイル
開発を黙認し始めたのである。
しかし、他方で、彼らはちゃんと
「リミット」も設けていたことが
分かる。
それが上のダニエル・ラッセルの発言から
うかがえる。
彼の言う「核攻撃能力」とは、要するに
「米本土」へのそれだ。
なにしろ、日韓を核攻撃する能力なら、
最初の核弾頭を配備した瞬間から、
北は獲得している。
その時、アメリカは何のアクションも
取らなかった。
米本土を核攻撃する能力を持った途端、
北にトドメを刺す…
つまり、もともと存在していた
「北朝鮮打倒計画」は、ただ形を変えて
延期されただけなのだ。
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