【世界でおきていること】ロヒンギャ問題とは何か:民主化後のミャンマーで変わったこと、変わらないこと




ビルマ人の間で表面化する少数民族への反感が、
自らもビルマ人で、ビルマ人を主たる支持基盤にする
スー・チー氏に大きく影響することは、想像に難くありません。
この点においても、スー・チー氏にロヒンギャ問題を
はじめとする少数民族問題に消極的な態度が目立つことは、
不思議でないのです。

アウン・サン・スー・チーはネルソン・マンデラになれるか

ただし、国内政治上の理由から、スー・チー氏が少数民族の
弾圧に「寛容な」姿勢を保ち続けることが、海外からの
批判を招くだけでなく、ミャンマーの不安定要因に
なることは確かです。

現代では、トランプ現象に象徴されるように、
「民主主義の原理」と「多様性の共存」の衝突が目につきますが、
ミャンマーの事例はそのギャップが大きいものの一例と
いえるでしょう。

しかし、「民主主義の原理」と「多様性の共存」は、
困難であっても、リーダー次第では不可能でなくなります。
南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領は、
その好例といえます。

マンデラ氏はかつて、白人による人種差別体制(アパルトヘイト)
を打倒する運動の先頭に立ち、20年間の投獄生活を経て、
1994年に初の黒人大統領に就任。新生南アフリカ政府は、
基本的には大多数を占める黒人の支持に基づき、
その利益の拡大に努めながらも、それまで黒人を虐げていた
白人の財産や権利を保護し、人種間の融和を黒人にも説き続けました。

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