文在寅(ムン・ジェイン)大統領の
「中立発言」が波紋を呼ぶ。
その無神経さには米国も怒った。
韓国には拒否権がある
鈴置:8月26、29日、北朝鮮が相次いで
弾道ミサイルを発射しました。
そんな中、文在寅大統領の不用意な
発言が注目を集めています。
「なぜ、墓穴を自ら掘るのか」と、
韓国ウォッチャーは首を傾げています。
「中立宣言」のことですね。
鈴置:その通りです。日本からの独立を祝う
光復節の祝辞で、以下のように語りました。
青瓦台(韓国大統領府)の
「第72周年光復節祝辞」(8月15日)から
引用します。
・朝鮮半島で再び戦争を繰り返してはなりません。
朝鮮半島での軍事活動は大韓民国だけが決める
ことができ、誰も大韓民国の同意なくして
軍事活動はできません。
・政府は何があっても戦争だけは止めることでしょう。
北朝鮮の核武装を阻止するため米国がいつ
先制攻撃するか、と緊張感が高まっています。
そんな時に文在寅大統領が事実上
「米国の北朝鮮攻撃に関しては韓国に拒否権がある」
と主張したのです。
そのうえで
「米国の攻撃は体を張っても止める」とも
語りました。
それは「有事の際の中立宣言」でもあります。
米国務省の定例ブリーフで、この発言に質問が
集中しました。
報道官は「拒否権」に関し答えを避けましたが、
北朝鮮の人権状況を非難したため
「異様な国の側に立つ韓国」とのイメージが
世界に向け発信されました。
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